阿波根昌鴻が撮った島の人々のネガ写真をデジタル化 公開へ

伊江島の平和運動家阿波根昌鴻が、島の人々の日常をとらえた大量の写真のネガをデジタル化しプリントした作品が、今月から一般公開されることになりました。

101歳で亡くなった阿波根昌鴻は、アメリカ軍による伊江島の土地の強制収用に非暴力で抵抗を貫き、そうした「土地闘争」や島の人々の日常を写真に撮って大量に記録していました。

東京工芸大学芸術学部の小原真史准教授は、阿波根が残した資料を研究する調査会に同行し、ほとんどプリントされていない3000枚以上あるネガの一部をデジタル化した上で、高精細な画像としてプリントしました。

大学では、阿波根が集めた記録が歴史的にも文化的にも重要だとして、新たな形で保存・公開しようとデジタル化に取り組んできたということです。

小原准教授は「米軍占領下で不可視化されていた沖縄の離島の出来事をカメラを使って多くの目に見える形にしたのが阿波根さんなので彼の平和への思いも含めてより遠くまで写真を届けたいと思っています」としています。

作品は、埼玉県にある「原爆の図丸木美術館」が、主催する企画展「阿波根昌鴻写真と抵抗、そして島の人々」で今月23日から5月6日まで一般公開される予定で、未公開のものも含めおよそ350点が紹介されるということです。