安全保障上重要な土地 “指定断念要望”を県に申し入れ

安全保障上重要な土地の利用規制をめぐり、政府が新たな候補地として、アメリカ軍普天間基地の周辺などを示したことを受けて、24日、地元の市民グループが、指定の断念を国に要望するよう県に申し入れました。

安全保障上重要な土地の利用を規制する法律の施行を受け、政府はこれまでに、国境に近い離島のほか、自衛隊やアメリカ軍施設の周辺などを指定し、規制の対象としています。

県内ではすでに39か所が指定されていますが、政府は先月新たな候補地として、普天間基地や嘉手納基地などアメリカ軍施設の周辺や、陸上自衛隊那覇駐屯地などの本島内にある自衛隊施設の周辺など31か所を示しました。

こうした中、24日、地元の宜野湾市の市民グループが県庁を訪れ、普天間基地の周辺が、施設の機能を妨げる行為を防止する「注視区域」や一定以上の面積の土地などを売買する際、氏名や国籍などの事前の届け出を義務づける「特別注視区域」の候補になったことを踏まえて、県に申し入れを行いました。

申し入れでは、「住民の行動が監視され、調査が際限なく広がる危険がある」とした上で、指定によって、普天間基地の返還に影響はないか確認し、指定を断念するよう政府に要望するよう求めています。

これに対し、溜政仁知事公室長は、「社会経済活動や県民の基本的人権を侵害することは決してあってはならない。前回に指定された際にも、指定は最小限度にするよう求める意見書を提出した」と述べ、今後、申し入れを踏まえて政府に意見書を提出する考えを示しました。

申し入れを行った新垣清涼さんは、「指定区域で、市民が監視されるような状況になったら困るので、指定を外してほしい」と話していました。

政府は今後、関係する自治体の意見を聞いた上で、改めて審議会を開き、正式に決定することにしています。