竹富町が検討の訪問税で報告書“原則2000円徴収が妥当”

竹富町が導入を検討している「訪問税」をめぐり、町が設置した委員会で、島を訪れる際に原則2000円を徴収することが妥当だとする報告書がとりまとめられました。

9つの有人島に4000人余りが暮らす竹富町には、美しい島や海を求めて、コロナ禍前には年間およそ100万人が訪れていて、ゴミの処理やインフラ整備などの財源確保が課題となっています。

このため、町では新たな税の「訪問税」の導入に向けて、有識者などでつくる委員会で検討が進められていて、11日、税金を納める対象や金額などを盛り込んだ報告書がとりまとめられました。

それによりますと、観光客の増加で今後さらに7億円程度の財源が必要であるとして、◆町民や◆町内の会社に勤めている人など一部の例外を除き、島を訪れる際に原則、1回につき2000円を徴収するのが妥当だとしています。

また、11日の会合では、島を頻繁に訪れる人に対する特別措置について2つの案に絞り込み、最終的な判断を町に委ねることになりました。

これらの案では、◆島を訪れる石垣市と与那国町の住民は年間5000円以上の決められた額を納めた場合に、そして、◆伝統行事の参加者や医療や介護目的の医療関係者や親族などは年間3000円以上の額を納めた場合に、何度でも訪れることができるとされています。

委員会は12日に前泊町長に答申を行い、町は早ければ3月の町議会に条例案を提出することにしています。

会合のあと、委員長を務めた神奈川大学の青木宗明教授は「我々は理屈にのっとって根拠のある数字を出した。それを今度は町の方でどうすべきなのか最終的にご判断いただきたい。訪問税を作って、外から入ってきて行政の仕事を増やす人にその一部を負担いただくというのは当然のことなので、住んでいる人と来訪する人の数字がすごくアンバランスな自治体は是非導入を検討すべきだと思う」と述べました。