大浦湾側での工事 防衛局“サンゴの生息環境に影響与えず”

アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、沖縄防衛局は11日、軟弱地盤のある大浦湾側での代執行に伴う工事に着手しました。
この工事について、沖縄防衛局は「サンゴの生息環境には影響を与えない」としています。

移設工事をめぐっては、大浦湾側に生息するサンゴおよそ8万4000群体の移植作業を行う計画になっていますが、県は沖縄防衛局の申請を認めず、県と国が裁判で争っていて作業は始まっていません。

こうした中、10日、沖縄防衛局は護岸の造成工事に向けて、埋め立て予定地の北側に新たに海上ヤードを設けるため海中への石材の投入を開始し、大浦湾側での工事に着手しました。

10日、那覇市内で開かれた防衛局に環境対策を助言する国の「環境監視等委員会」の会合のあと、防衛局の担当者は、工事について「サンゴの生息環境には影響を与えないことを確認したので、着工に至っている」と述べました。

そのうえで、埋め立て予定地に生息しているサンゴの移植は行う必要があるという認識を示しました。

一方、会合は冒頭を除き非公開で行われましたが、公表された資料によりますと、移植後のサンゴのモニタリング調査の結果、5年後の生存状況は9群体中、2群体が生存、6群体が死に、1群体が消失したということです。

これについて、委員会は、死ぬ頻度はもともと生息していたサンゴと比較して同程度だったと評価しています。