辺野古沖の地盤改良工事に向け国が海上での準備作業を始める

沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設先になっている名護市辺野古沖の地盤の改良工事に向け、国は9日午前、海上での準備作業を始めました。

普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐっては、先月28日、国土交通省が、移設に反対し地盤の改良工事を承認しない沖縄県に代わって、工事を承認する「代執行」を行いました。

これにより、埋め立てを計画している大部分で工事ができるようになり、防衛省関係者によりますと、今月12日にも、軟弱地盤のある大浦湾側の工事に着手する方向だということです。

国は、この工事に向け9日午前9時20分ごろ、海上での準備作業を始めました。

護岸の造成工事に向けて、埋め立て予定地の北側に新たに海上ヤードを設ける計画で、現場では、午前9時ごろ立ち入り禁止区域を示すブイの内側に作業船が到着し、そのおよそ20分後からダイバーが潜水作業を行う様子が確認できました。

現場近くには移設に反対する人たちを乗せた船が近づき、「沖縄の未来は沖縄が決める」とか「いっしょに海を守ろう」というプラカードを掲げていました。

防衛省関係者によりますと、9日は海水が濁るのを防ぐ「汚濁防止膜」を設置するということです。

防衛省は、移設工事の経費は、地盤の改良工事のため当初の見積もりの2.7倍のおよそ9300億円まで増える上、すべての工事や手続きが終わり移設が可能になるまでに12年ほどかかるとしています。

沖縄県は、政府に対し、辺野古への基地の移設を断念し問題の解決に向けて対話に応じるよう求めていて、今後、政府がどう対応していくかも焦点となっています。