与那国島で伝統行事「マチリ」 25日間にわたり島の繁栄祈願

与那国町では、25日間にわたって島の繁栄を祈願する伝統行事「マチリ」が先月末から続けられていて、今月1日には子孫の繁栄を願う「ンディマチリ」が行われました。

与那国町に古くから伝わる「マチリ」は、島の繁栄を祈願して神が降りてくるとされる旧暦10月以降の庚申の日から25日間にわたって行われる伝統行事で、ことしは今月21日まで行われます。

期間中は、牛など四つ足の動物を食べることが禁じられ、島内5つの地区ごとにさまざまな祈りがささげらます。

このうち比川地区では、子孫の繁栄を願う「ンディマチリ」がことしは今月1日の元日に行われ、地元の住民やほかの地区の代表などおよそ30人が拝所に集まりました。

そして、酒や米などを供え、厳かな雰囲気の中、8回にわたり祈りがささげられていました。

進行役を務めた比川自治公民館の崎枝彦三副館長は「ほかの地区でも海賊が入ってこないことや、航海の安全などさまざまな願いをする。この静かな集落がもっと元気になるように祈ったが、いつまでもこうした行事を大切にしていきたい」と話していました。

「マチリ」は代々、神事を受け継いできた家でも行われ、1日には後間家の人たちが先祖代々保管され、神器とされる弓ややり、鼓などをまつり、音楽に合わせて踊って子孫繁栄を祈願しました。