中国船の尖閣沖接続水域航行 海保「冷静かつきぜんと対応」

沖縄県の尖閣諸島周辺の海域では中国当局の船による航行がほぼ毎日続いていて、去年は領海の外側の「接続水域」での航行日数が過去最多となりました。
管轄する第11管区海上保安本部のトップは「極めて深刻な状況で、関係機関と緊密に連携し冷静かつきぜんと対応を続けていく」としています。

海上保安本部によりますと、去年、尖閣諸島周辺の領海のすぐ外側にある「接続水域」を中国海警局の船が航行した日数は352日と、おととしの336日を上回り、12年前の2012年に政府が尖閣諸島を国有化して以降、最も多くなりました。

また、去年、尖閣諸島周辺の領海に侵入したのは34件とここ数年とほぼ同じペースですが、領海内で操業中の日本の漁船に接近するケースも相次ぎ、3月から4月にかけては80時間36分にわたり領海にとどまり続け過去最長を記録しました。

さらに去年3月以降、中国海警局の船は尖閣諸島周辺の海域でAIS=船舶自動識別装置を作動させ船の位置や速度などの情報を電波で発信し始めたほか、5月には中国海軍の艦艇を改修したとみられる船が尖閣諸島の沖合で確認されました。

こうした中国側の動きについて、第11管区海上保安本部の島谷邦博本部長は「非常に高い関心を持って監視しているが、中国側の意図についてコメントする立場にない」としています。

その上で「中国海警局の船の活動は国際法違反であり極めて深刻な状況で、相手勢力を上回る巡視船で対応するなど万全の警備態勢を確保している。引き続き関係機関と緊密に連携し冷静かつきぜんと対応していく」と述べました。