辺野古沖の地盤改良工事 埋め立ての土砂の調達先も課題

アメリカ軍普天間基地の移設先になっている名護市辺野古沖の地盤の改良工事をめぐって、20日、福岡高等裁判所那覇支部は、県に対して判決文を受け取った翌日から土日を除く3日以内に工事を承認するよう命じました。
防衛省は今後、資機材の搬入などを行い、年明け以降、工事に着手することにしていますが、この辺野古沖の埋め立てでは、土砂の調達先も課題となっています。

沖縄戦の激戦地だった糸満市米須では地元の業者が琉球石灰岩の採掘を計画し、いま作業が行われています。

防衛省は、辺野古の埋め立て工事で使う土砂の調達先のひとつとして糸満市を検討していて、市民団体が戦没者の遺骨が含まれるこの場所の土砂が使われるのではないかと反対の声をあげています。

こうした中、県はことし9月に業者からの農地の一時転用の申請を「基準を満たしている」として許可しました。

3年間、岩を運び出すために使用することが可能となり、業者が搬出道路を建設し、現在は、山の一部が切り崩されている状態が確認できます。

この工事で課題となっているのが、搬出道路の地下に広がっているシーガーアブと呼ばれる洞くつです。

地元の歴史をまとめている米須誌には、沖縄戦の際に、避難していた住民がアメリカ軍から油を流し込まれ攻撃を受けたと記録されています。

また、日本軍の主力部隊の有川主一旅団長らが自決した場所でもあり、すぐ隣には慰霊碑が建てられています。

県によると、11月上旬に確認した際には、シーガーアブに影響はみられなかったということです。