新年を前に平和祈念像のほこりを拭き取る「浄め」糸満市摩文仁

新年を前に、県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦で最後の激戦地となった糸満市摩文仁で平和の願いを込めて、平和祈念像のほこりを拭き取る「浄め」の作業が行われました。

糸満市摩文仁の沖縄平和祈念堂にある高さ12メートルの平和祈念像は20万人を超える沖縄戦の戦没者を追悼し、平和への願いを込めて、昭和53年に建てられました。

毎年、新年を前にほこりを拭き取る「浄め」の作業が行われていて、15日は平和祈念像の管理団体や那覇市の中学生など10人あまりが参加しました。

参加者は黙とうをしたあと、台座や像の頭などにたまったほこりを布で丁寧に拭き取ったり、漆が劣化していないか確認したりしていました。

参加した中学1年生の小笠原優月さん(13)は「平和がずっと続くように願いながら丁寧に拭きました。戦争をせずに、みんなが仲良く暮らせる世界であってほしいです」と話していました。

沖縄平和祈念堂では、大みそかの夜にたいまつを掲げ、平和の鐘を打って新年を迎える催しも行われていますが、管理する沖縄協会によりますと、建物が工事中で火災の恐れがあることから、ことしは中止するということです。