辺野古沖移設 国の土砂投入開始から5年 反対の人たちが抗議

沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古沖への移設工事で、国が土砂の投入を始めて14日で5年です。
現場付近では、移設に反対する人たちが工事の中止を訴えました。

普天間基地の名護市辺野古沖への移設工事で国が土砂の投入を始めて5年になる14日、埋め立て区域では工事が行われていました。

辺野古の沿岸地域にあるアメリカ軍のキャンプシュワブのゲート前では14日朝、地元の人などおよそ20人が座り込み、「辺野古の海を守ろう」、「もう基地はいらない」などと書かれたプラカードを持って抗議の声を上げていました。

その後、警察官が座り込む人たちを抱えてゲートの脇に移動させると、砂利などを積んだトラックが次々と中に入っていきました。

名護市の75歳の女性は「国民は物価高で大変な思いをしているのに、国民の血税を海に捨てるような感じで使い、工事を強行するのは不条理だ」と話していました。

沖縄防衛局によりますと、キャンプシュワブの南側、辺野古側の区域ではこの5年間で、埋め立てに必要な量の99.6%にあたるおよそ318万立方メートルの土砂が投入されたということです。

一方、埋め立て区域全体の7割ほどの面積を占めるキャンプシュワブの北側、大浦湾側の区域では軟弱地盤が見つかり、土砂の投入は行われていません。

地盤の改良工事をめぐり、移設に反対する県に代わって国が工事を承認する「代執行」に向けた裁判の判決が今月20日に言い渡されることになっています。

防衛省によりますと、地盤の改良工事にはおよそ7万1000本のくいを海中などに打ち込む必要があり、工事が始まってからアメリカ軍に施設が提供されるまでにおよそ12年かかるということです。

キャンプシュワブのゲート前で行われた抗議活動に参加した那覇市に隣接する宜野座村の81歳の男性は「人を殺すため、戦争のための基地であって、基地を作るのではなく、海がきれいで山もあるので、基地を無くして観光地にすればすばらしいところになる」と話していました。

14日午前10時半ごろ、名護市辺野古沖では、船に積まれた土砂を重機でダンプカーに積み替える作業が行われているのが確認できました。

土砂は辺野古側の区域に運ばれ、整地作業が進められていました。

一方、軟弱地盤が見つかった大浦湾側の区域では、重機を載せた作業船など複数の船が見られました。

沖合のブイの外側では、移設工事に反対する人たちがカヌーに乗って集まり、「代執行NO」などの文字を掲げて抗議活動を行っていました。

ブイの内側では、抗議する人たちに向かい合うように集まった海上保安庁の船から、職員が警戒にあたる様子も確認できました。