沖縄の旧石器時代を伝える展示会始まる 県立博物館・美術館

沖縄の旧石器時代について伝える展示会が12日から県立博物館・美術館で始まり、およそ9000年以上前の人骨が初めて公開されています。

この展示会は、県内各地で発掘調査を続けている県立博物館・美術館が開いたもので、12日は、研究者のほか、ともにフィールドワークを行ってきた地元の向陽高校の生徒も参加して開会式が行われました。

今回は国内外の遺跡から見つかったおよそ330点が展示され、県内からは1万8000年前の港川人の人骨が見つかった八重瀬町の遺跡や、2万3000年前の釣り針が見つかった南城市のサキタリ洞遺跡などからの出土品が紹介されています。

このうち、サキタリ洞遺跡で見つかったおよそ9000年以上前の人骨は今回、初めて公開され、推定される身長は160センチ後半から170センチと、150センチ台前半の港川人と比べるとかなり大柄で、腕が長いのも特徴です。

会場ではこのほか、国内最古となる2万3000年前の色が付いたビーズなども展示されました。

県立博物館・美術館学芸員の澤浦亮平さんは「これまで知られていた旧石器人とは顔つきも体つきも全然違う人なので、いろいろな地域から異なるタイミングで沖縄にやってきたのかと考えさせてくれる資料です。沖縄は地質環境のバックグラウンドのおかげで旧石器時代の人骨がたくさん残っていたり、旧石器時代の人たちの暮らしぶりが具体的にわかっていますので、そういったものを物語るさまざまな展示を楽しんでいただきたい」と話していました。

展示会は来年2月12日までで、期間中、さまざまなセミナーやシンポジウムが開かれる予定です。