12月12日は「島にんじんの日」

【島にんじんの日に】
12月12日はイー(1)ニンジン(2)で沖縄特産・島にんじんの日とされています。県内1の島にんじんの生産量を誇る中城村、宮城杏里キャスターが現場に向かうと、そこには島にんじんをこよなく愛する人たちがいました。

(宮城キャスター)
「島にんじんは、いいにんじん。旬を祝おうと、中城村の皆さんが集まりました」

今が旬の「島にんじん」をPRしようと、12日、中城村役場でセレモニーが行われ、生産者や役場の職員などおよそ100人が集まりました。

「島にんじん」は琉球王国時代の17世紀にシルクロードを通り中国から伝わったとされています。中城村では、年間およそ30トンの島にんじんが生産されていて、ほぼすべてが県内で消費されています。まさに県民に愛される自慢の島野菜です。

(宮城キャスター)
「中城村には、およそ30人の島にんじん生産農家がいます。私も畑に会いに行ってきます」

父親から引き継ぎ島にんじんを育てて12年目の安里昌治さん(70歳)です。安里さんの畑では、週に3日、収穫作業を行いあわせて150キロ、出荷しています。毎年、8月に種をまいておよそ4か月かけて大切に育てられています。水分を多く含む粘着質の土で育った島にんじんの収穫には力が必要です。特殊な「くわ」を使って1本1本、丁寧に引き抜いていきます。去年は、長雨が続き例年に比べて生産量が10トンあまり減りましたが、ことしは台風の影響も少なく、長〜い島にんじんがたくさん収穫できているそうです。

(安里昌治さん)
「先代からの伝統野菜なので守っていきたいなと思います。できるだけできるだけやります。やりたいですね。島にんじんは独特な香りと甘さがあります。皆さん楽しんで喜んでいただければ私も楽しい」

実は伝統の継承に黄色信号が灯っています。年間の生産量は10年前に比べ10トンも減少、そして後継者不足も大きな課題だといいます。こうした中、島にんじんの日にあわせて中城村は新たな取組を始めました。村内のカフェや食堂8店舗で島にんじんを使ったオリジナルの料理を提供。島にんじん料理を広く知ってもらうとともに、新たな担い手の確保にもつなげる狙いです。

実際にどんな料理があるのでしょうか、特別にレシピを教えてもらいました。中城村役場の職員で栄養士の江田奈都子さんです。地元で生まれ育った江田さん、幼いころから島にんじんが大好きで、さまざまな料理を考案してきました。教えてもらったのは定番の「島にんじんイリチー」です。

(江田奈都子さん)
「子どもも食べやすい薄切りにしました」

皮をむいて薄切りにした島にんじんをよく炒めます。しんなりつやが出てきたら、塩を一つまみ振り、ツナと水を加えます。

(江田奈都子さん)
「ふたをすることで柔らかくなります」

島にんじんを透明になるまで炒めたら、にらを加えて塩で味を調えてできあがり!

(宮城キャスター)
「おいしい!甘いほくほくしてます。ニラとツナとも(相性が)間違いない、お米がほしくなりますね」

(江田奈都子さん)
「ビタミンもミネラルも豊富で、昔からクスイムンとして使われていたので、みなさんこの冬は島にんじんを食べて冬を乗り切ってください」

栄養たっぷりで、まさに今の時代にマッチした島にんじん。愛情込めて育てた旬の味覚を楽しんでほしい。中城村の皆さんの思いです。

(中城村の皆さん)
「チデークニをよろしくお願いしまにんじん!!」