深海に生息する珍しいカニ 沖縄美ら海水族館で世界で初の展示

深海に生息し、足の先端の一部が特殊な形をしている珍しいカニが、本部町の沖縄美ら海水族館で世界で初めて展示されています。

沖縄美ら海水族館で展示されているのは、深海に生息するカニの「ウィリアムホモラ」のメス2匹で、甲羅の幅は5センチほどあり、足の先端の一部が工具のニッパーのような形になっているのが特徴です。

先月上旬に、水族館が県水産海洋技術センターと慶良間諸島の沖合で共同調査を行った際、水深およそ850メートルの深海で採集されました。

国内での採集は43年ぶりで2例目となり、報告例が少ないことから詳しい生態などは分かっておらず、生きたままの展示は世界で初めてということです。

栃木県から修学旅行で訪れた高校2年の男子生徒は「世界で初めての展示と知って驚いています。足が長いのも珍しいと思います」と話していました。

沖縄美ら海水族館魚類課の杉本遙香さんは「詳しい生態はまだ分かっておらず、水族館での飼育を通して生態がひとつでも多く発見できるよう飼育に取り組んでいきたい。生きたが姿をご覧いただけるのはとても珍しく、世界で初めての行動が見られるかもしれないので、水槽を観察してほしいです」と話しています。