薬学部設置希望の大学 応募なし 琉球大との協議対応検討

薬剤師が不足している状況を改善しようと、県は県内の国公立大学を対象に薬学部の設置を希望する大学を募集していましたが、締めきりの8日までに応募はありませんでした。
ただ、琉球大学から設置の可能性を含め、対応方策について県と協議を進めたいという回答があり、県は対応を検討することにしています。

厚生労働省などによりますと、現在、県には薬剤師を養成する機関がないほか、人口10万人あたりの薬剤師の数は全国で最も少ない状況が10年間以上続いています。

このため、県は2028年4月に県内の国公立大学に薬学部を設置することを目指し、財政面などで支援を行うとして公募していましたが、締め切りの8日、午後5時までに応募はないということです。

一方で、県によりますと8日、琉球大学から「今後、薬学部設置の可能性を含め、対応方策を県と緊密に連携しつつ協議を進めたい」と回答があったということです。

また、名護市にある名桜大学は、薬学部の設置や運営にかかる予算への安定的な支援が不透明で、大学の経営基盤に多大な影響を与えることが想定されるとして応募を見合わせることを決め、7日、回答したということです。

これを受けて県は、今後の対応を検討することにしています。

【琉球大学「県とはゼロベースで議論」】
琉球大学は、▽文部科学省が原則として学生の定員を増やすことを認めていないことや、▽設置や設置後の人件費などの費用への支援が明確になっていないことなど課題が多く条件が整っていないとして、応募できる状況ではないと県に回答したということです。

琉球大学の福治友英理事はNHKの取材に対し、「慢性的に薬剤師が不足しているという沖縄県の課題について、その影響の大きさに鑑みて薬学部設置の可能性も含めて県と協議を進めたいと考えている。県とはゼロベースで対等な立場で議論を進めて行きたい」と話していました。