過労死と認定されたNHK記者の遺族 過労死の防止を訴える

過労死の防止について考えるシンポジウムが5日宜野湾市で開かれ31歳で亡くなり、過労死と認定されたNHKの記者の遺族が、過労死はいつ誰の身に起こってもおかしくないとした上で、「親が子どもの職場環境や人間関係を注意深く見守り最後の砦になってほしい」と呼びかけました。

シンポジウムは、過労死の防止を推進しようと厚生労働省が開いたもので、およそ60人が参加しました。

シンポジウムでは10年前に31歳で心不全で亡くなり、過労死と認定されたNHKの佐戸未和記者の母親の恵美子さんが「病気でもなく寿命でもなく突然、娘を失った悲しみと苦しみは歳月によって和らぐことはありません。今も喪失感にもがき苦しんでいます」と胸の内を語りました。

その上で、「未和は結婚も控え、これからの予定はびっしりでした。生きるのが大好きでした。ただただ生きていてほしかったです。会社は組織は守って我が子の命を守ってくれるとは限らず、働いていれば過労死はいつ誰の身に起こってもおかしくはありません」と述べました。

そして「親が子どもの職場環境や人間関係を注意深く見守り最後の砦になってほしい」と呼びかけました。

またシンポジウムでは、沖縄労働局の担当者が過労死の防止対策のため、長時間労働の削減に向けて企業に指導などを行っていることや勤務間インターバル制度の導入に向けて啓発活動を行っていることなどを説明しました。