衰弱して9月に保護のカンムリワシ 回復し自然に帰される

国内では石垣島と西表島だけに生息する国の特別天然記念物のカンムリワシ。
衰弱した状態で保護された1羽が手当てを受けて回復し5日、自然に帰されました。

このカンムリワシはことし9月、石垣島最北端にある平野地区の海岸近くにある農道で衰弱して飛べなくなっているところを保護されました。

動物病院で手当てを受けるなどして回復し、5日、保護された場所に帰されることになりました。

カンムリワシは全長50センチほどの若い鳥で、保護した下里康浩さんが地名の一部をとって「ひらり」と名付けました。

下里さんや地域の人たちが見守るなか、地面にそっと置かれると、カンムリワシは警戒した様子で草むらにうずくまっていましたがしばらくすると森の中に入っていきました。

環境省によりますと、カンムリワシは絶滅の恐れが極めて高く、石垣島ではことし、今月1日までにカンムリワシが巻き込まれた交通事故は7件発生し、6羽が死んでいます。

保護した下里さんは、「発見した時はカラスにつつかれて動けないでいましたが目つきも鋭くなり回復したなと思いました。ケガがなく生きていってほしいです」と話していました。

環境省石垣自然保護官事務所の古見用介自然保護官は「路上で餌を探す姿が見られる時期になっています。動けない個体などを見つけたら環境省や動物病院などにすぐに連絡して下さい」と呼びかけていました。