石垣島で初確認のナマコ 「ヤエヤマヒルギナマコ」と命名

石垣島のマングローブ林で、島根大学などの研究チームが、国内では初確認となるナマコを発見し、「ヤエヤマヒルギナマコ」と名付けました。

このナマコは去年6月、島根大学エスチュアリー研究センターの川井田俊助教などの研究チームが、石垣島のマングローブ林でカニ類の調査をしている際に偶然、見つけたものです。

色や形、それに内部の組織を詳しく調べた結果、国内では初確認となる種だと分かり、マングローブの一種のヤエヤマヒルギの根元で見つかったことから、研究チームは和名を「ヤエヤマヒルギナマコ」と名付けました。

このナマコは、これまでフィリピンやフィジーなど熱帯性の地域で確認されていて、今回の発見で生息域の北限がおよそ700キロ広がったことになります。

研究チームでは「黒潮に乗って流れ着いた可能性もあるが、地球温暖化による海面水温の上昇が要因の1つに考えられる」としています。

マングローブ林とそれに隣接する干潟は、多様な生物が生息することで知られていますが、研究チームによりますと、泥の上で生息するナマコが見つかった例は報告されていないということです。

研究チームでは、「マングローブ林が生物多様性の維持に大きく貢献していることを裏付けるものだ」として、マングローブ林の保全の重要性を指摘しています。