警棒で高校生に大けがをさせた罪 警察官に罰金100万円求刑

去年1月、沖縄市の路上でバイクに乗っていた当時17歳の男子高校生に警棒を衝突させ、失明などの大けがをさせたとして、業務上過失傷害の罪で起訴された当時、沖縄警察署に勤務していた31歳の警察官の初公判が開かれ、起訴された内容をおおむね認めました。
検察は、罰金100万円を求刑しました。

当時、沖縄警察署の巡査だった前田光介被告は(31)去年1月27日午前1時すぎ、沖縄市の路上を歩いてパトロールしていた際、接触を避けるべき注意義務を怠り、当時17歳の男子高校生が運転する時速およそ25キロのバイクを止めようと警棒を持った手を差し出し、警棒を右目付近に衝突させ失明や顔を骨折するなどの大けがをさせたとして、業務上過失傷害の罪に問われています。

那覇地方裁判所で開かれた4日の初公判で、前田被告は起訴された内容をおおむね認めたうえで、当時のバイクの速度については「30キロ以上と認識している」と争う姿勢を示しました。

検察は「被告は基本的な注意義務を怠り、重大な傷害を負わせており刑事責任は重い」と述べたうえで、「警棒を思い切り振り下ろしたとは認められず、警棒が右目付近に衝突したのは偶発的なものと認められる」などと主張し、罰金100万円を求刑しました。

一方、被害者の弁護士は「被告の非常に危険な行為で被害者が失明などの極めて重い傷害を負ったことは強い非難に値する」などと主張し、懲役刑もしくは禁固刑の実刑判決を求めました。

最後に、前田被告は廷内にいた被害者とその家族に向かって「大きなけがをさせてしまい本当に申し訳ありませんでした」と述べました。

裁判は4日で結審し、判決は今月25日に言い渡されます。

この事件のあと、沖縄警察署には大勢の若者が集まり、捜査車両などに石や空き瓶が投げられるなどして、その後、暴力行為等処罰法違反の集団的器物損壊の疑いで少年ら15人が検挙されています。