宜野湾市でザトウクジラの生態の保全を考えるシンポジウム

冬から春にかけて南西諸島を回遊するザトウクジラのホエールウォッチングがシーズンを迎えるのを前に、最新の生息状況を共有し、生態の保全について考えるシンポジウムが、2日、宜野湾市で開かれました。

このシンポジウムは、ザトウクジラの繁殖地域として知られる慶良間諸島が国立公園に指定されてから来年で10年となるのにあわせて環境省が主催し、県内外からホエールウォッチングの事業者など、およそ130人が参加しました。

この中で、沖縄美ら島財団の小林希実研究員は、オーストラリアやハワイなどで行われている生態の保全の取り組みや、南西諸島を含めた世界のザトウクジラの生息状況について紹介しました。

また、座間見村ホエールウォッチング協会の大城晃会長は、親子クジラがいる場合子育ての邪魔にならないよう、船と100メートル以上の距離を保ち、1時間以上近づかないなどといった独自のルールを設けて取り組んでいることなどを紹介しました。

シンポジウムに参加した座間味村在住の女性は、「この素晴らしい環境と自然をもっと多くの人に見てもらいたいなと島に住んで思っているので、保全という観点と観光の両方をきちんと伝えていけるようにしたい」と話していました。