沖縄SV残留かけ大一番へ 高原選手の背中追いかけた選手は

【沖縄SV 残留への戦い】
 (NHK沖縄放送局 木村祥太カメラマン)

サッカーJFLの沖縄SVは、クラブ創設8年目のことし、初めてJFLの舞台に挑戦しました。しかし、最下位に終わり、残留のためには3日に行われる地域リーグとの入れ替え戦に勝利しなければなりません。オーナー兼監督を務める元日本代表の高原直泰さんは今シーズン限りで選手としては現役を引退します。高原さんの現役最後となるこの試合に、特別な思いで臨むある選手を取材しました。

【高原選手の背中を追って…】
JFLの舞台で戦う沖縄SV。チームを率いるのは、高原直泰さんです。日本代表としてワールドカップにも出場。ドイツ1部リーグでも活躍しました。8年前にチームを立ち上げ、監督を兼任しながらピッチに立ち続けてきました。現役選手としてプレーするのは、今シーズンが最後です。その高原さんの背中を追ってチームに移籍してきた選手がいます。安藝正俊選手(33)です。入団6年目で
ポジションはセンターバック。フィジカルの強さを生かした守備と
打点の高いヘディングが持ち味です。
(安藝選手)
「対人とか空中戦とかは自信をもってやっていますし、こいつがいてくれたら大丈夫だろうと思ってもらえるようなディフェンダーになりたいと思いますね」
高原さんとは沖縄に来る以前にもJ3のチームで共にプレーし、大きな影響を受けたといいます。
(安藝選手)
「SC相模原の時からいまもプレイヤーとしてはすごく熱い選手ですし世界でプレーしてきた高さんの背中を見ているとあれくらいの人じゃないと上にいけないんだなというのは感じています」
その後、移籍したチームを離れることになった安藝選手に声をかけたのが、沖縄SVを立ち上げた高原さんでした。
(安藝選手)
「リリースを出した数時間後ぐらいに高さんから連絡をいただいて
“お前出るのか”と話をしてもらって、特に迷うことなく(沖縄に)行きますと。フォワードとしてはこういうプレーをディフェンダーにしてほしいんだみたいなものを(以前のチームの)練習中とかに育ててもらったという感じなので、高さんのところに行けば間違いないなと。そこでプレーをさせてもらって成長できるという確信があった」。
【JFL残留へ 大一番にかける思い】
プロ選手として真摯にサッカーに向き合う安藝選手ですが、生活のため掛け持ちの仕事もしています。週4日、ジムのトレーナーとして働いています。練習後の疲れを見せず、笑顔で向き合う安藝選手を応援してくれるお客さんも増えました。
(安藝選手)
「シンプルにサッカーのことを応援してくれたり、人によっては試合会場に見に来てくれたり安藝さん出てたテレビ見た?とかお客さん同士でしゃべっていたりとかみんなに喜んでもらえる一つのきっかけになりたい。頑張るきっかけになります」
ことし初めて、JFLに昇格した沖縄SVですが、一年を通して苦しい戦いが続きました。安藝選手も若手選手の台頭で思うように出場機会を得られませんでした。それでも、準備は欠かしませんでした。レギュラーの選手がけがで離脱すると、スタメンに復帰。高原選手のホーム最終戦ではディフェンダーながら2試合連続となるゴールを決めて花を添えました。
(サポーター)
「チームのために今出来ることをずっとやり続けてきて、そういう姿が若い選手たちにもいい影響を与えていると思う。チームのために尽くす姿というのが、今の沖縄SVそのものなんじゃないかなと思います」
先月末のシーズン最終戦。細かいパスを繋ぎ、自分たちのリズムで試合を進めました。左サイドを突破し、高原さんが相手ゴールに迫る場面もありましたが、終盤に失点して敗戦。リーグ最下位が確定しました。JFL残留をかけた大一番は3日です。現役最後の試合となる高原さんのためにもすべてをかけて挑みます。
(安藝選手)
「勝って送り出したいですよね。いま求められる一番最高の結果で(高原さんを)最後送り出したいなというのはみんなの思いなので全力で準備して思いっきり戦いたいなと。結果をつかみたいなと
思います」
運命の入れ替え戦は、今月3日の日曜日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで午後1時キックオフです。