命を食べる いい肉の日に

11月29日は「いい肉の日」です。沖縄では豚肉、牛肉、ヤギ肉、鶏肉とたくさんの種類のお肉が親しまれています。今回、鶏肉の販売をめぐって新たな動きが出てきたことがわかりました。宮城杏里キャスターが現場を取材しました。

(宮城杏里キャスター)
「香ばしいいい香りがします。こちらのお宅では、あるお肉を使ってBBQをしているそうですが、それはいったいなんなんでしょうか」

一見すると、おいしいそうな若鶏の丸焼きに見えますが、、、

「ハイケイでかんぱ〜い」

ハイケイ???
みなさんが言っているハイケイとは、廃棄する鶏(にわとり)のことです。
卵を産み終えた2歳から3歳の親鳥、ハイケイは本島北部で長年親しまれてきたソウルフードです。
しかし、若鶏に比べて肉質が固いことなどから、北部以外の地域では一般的ではありません。

(料理を作った佐久川さん)。
「ハイケイは肉質はちょっと固いんですがその肉自体にうまみがあるのでかめばかむほど味が出てくるし一手間かけることでお肉の質って柔らかくなるんですよね」

こちらのお宅ではハイケイを柔らかくするためにこうじ菌に漬けたり、圧力鍋を使ってしっかり煮込んだりした上でさまざま鳥料理を
楽しんでいます。

11月29日のいい肉の日に合わせて新しい動きも。JAおきなわは北部地域以外の店舗でも販売を開始しました。

(宮城杏里キャスター)
「ハイケイのホール、もも肉、むね肉だけではありません。これまでなかったハイケイのミンチ肉の販売も始まりました」

さっそく手に取ったお客さんは「家で料理をするのでだしがよく出るということで楽しみにしながら料理したいと思います」と話していました。

ハイケイの魅力は若鶏の6割の値段で手に入る安さですが、その半分以上が県外へ出荷されています。

卵を産み終えた親鶏の数は沖縄県内だけで年間70万羽。
ところがこのうち3割は廃棄され「食品ロス」になっているんです。

(JAの担当者)。
「(卵を)産み終えた親鶏、ハイケイもちゃんとおいしくいただく命をいただくということで、県民にハイケイを知ってもらいたい、家庭の料理にハイケイを使ってもらいたいというのがあるので、まずは家庭の料理の一部としてハイケイを使っていただきたいです」。

こうした中、ハイケイのおいしさを広めたいという料理人がいます。前川満夫さんです。県内で36年間、飲食店を営んでいます。

今回はハイケイの特徴を生かした料理、ハンバーグの作り方を教えてもらいました。
準備するのはハイケイのミンチ、卵、たまねぎ、にんにく、2種類のチーズです。すべての材料を混ぜてタネを作ります。

ポイントになるのは粉チーズとナチュラルチーズ。

(前川さん)
「企業秘密みたいなもんだったけどね、パサパサ感をなくすために、もむって形よりは混ぜるという感じで軽く。使ってみてびっくりしたのは普通の市販されている鶏ミンチよりはこの親鶏のハイケイのほうのミンチのほうが味はすごい2倍くらいある」

形を整えて片面を3分ずつ焼いたらできあがりです。

おいしそ〜〜〜〜〜!

(宮城杏里キャスター)
「おいしい。しっとりしていて、味が濃いです」

こんなに美味しいハイケイを食べないなんて“もったいない”。
皆さんも味わってみてはいかがでしょうか。

これからの時期だとハイケイのミンチを使ってお鍋に肉だんごとして入れるのもおすすめだそうです。12月9日と10日には那覇市と豊見城市でハイケイを使ったレシピを実演する催しが開かれ、無料で試食もできるということです。