日本軍司令部壕をボーリング調査 保存公開へ立体データ取得も

県は沖縄戦で日本軍の司令部が首里城の地下に構築し、いまはほとんど埋もれた状態になっている壕の保存・公開に向けボーリング調査を行っています。
28日からは、まだ詳細が明らかになっていない中枢部周辺を調べています。

日本軍が那覇市の首里城の地下に構築した第32軍司令部壕は、沖縄戦を伝えるための重要な戦争遺跡ですが、5つある入り口の1つとその周辺などを除いて埋もれた状態になっています。

県は発掘できていない坑道の位置を特定し、内部の状況をより詳しく把握するため昨年度からボーリング調査を行っていて、このほど、首里城西側の物見台近くにある入り口周辺での調査を始め、29日、その様子を公開しました。

この入り口周辺は、作戦室が置かれるなど司令部壕の中枢部だったと考えられています。

県の担当者によりますと、司令部が撤退した後にアメリカ軍が作成した資料から坑道があると推定されている深さおよそ30メートルまで掘り、坑道が見つかり、崩落などが起きていない場合には、内部にレーザースキャナーを入れて立体的なデータを取る予定だということです。

県は、ボーリング調査を来年2月まで行う予定で、調査結果は3月末までに公表することにしています。

県知事公室特命推進課の山城憲一郎課長は「戦後78年間地中にあった司令部の壕がそのまま埋まってしまうのか、調査で明らかになって世の中に語りかけるのか、今回の調査結果がどのようなものになるのか県民にも温かく見守ってほしい」と話していました。