名護市でヤンバルクイナを含む生態系保護に向け住民らが勉強会

沖縄本島北部だけに生息する国の天然記念物の「ヤンバルクイナ」が、これまでで最も南の名護市でも確認されたことを受け、27日夜、地域の住民らがヤンバルクイナを含む生態系の保護に向けて勉強会を開きました。

ヤンバルクイナは、沖縄本島北部だけに生息する国の天然記念物で、これまで国頭村を中心に大宜味村と東村まで生息が確認されていましたが、ことし7月、さらに南の名護市源河の山中に県が設置したカメラに、1羽のヤンバルクイナが写っているのが確認されました。

これを受けて、27日夜、源河地区の公民館では、ヤンバルクイナなどの保護や繁殖活動に取り組むNPO法人理事長の長嶺隆さんを講師に招いて勉強会が開かれ、およそ60人が参加しました。

この中で、長嶺さんは、20年ほど前マングースや猫に捕食されるなどしておよそ700羽まで減ったヤンバルクイナは、現在、マングースの侵入を防ぐ柵の設置などの取り組みで1500羽まで回復していることを報告しました。

そして、「源河地区には森も水もあり、繁殖できる環境がある。捨てられる猫を減らすなど私たちができることから始めるのが重要です」と呼びかけました。

主催した名護青年会議所の又吉拓之理事長は、「今回の確認により、地元の人たちも身近に感じたと思う。生息域が増え、より多くの沖縄の人たちに身近な鳥と感じてもらいたい」と話していました。