那覇市でヤングケアラーの支援を考える講演会を開催

大人に代わって家族の世話や介護を行う18歳未満の子どもたち、いわゆるヤングケアラーの支援について考える講演会が那覇市で開かれました。

講演会は、県社会福祉協議会などが開いたもので、会場には民生委員などおよそ140人が集まりました。

このなかで、県の担当者が県内の小・中・高校生の中でヤングケアラーと思われ、かつ支援が急がれる子どもは推定でおよそ2450人いることを報告しました。

さらに、休日に家族の世話を7時間以上している子どもが1割程度いることも紹介されました。

その上で、このうちヤングケアラーに「あてはまらない」「わからない」と回答した子どもが2割から3割程度いるほか、負担感を「特に感じていない」と回答した子どもが5割程度に上っているとして、自分の状況を客観視することには難しさがあると指摘しました。

このあと、かつてヤングケアラーで、いまはスクールソーシャルワーカーとして兵庫県で子どもたちの支援などにあたっている黒光さおりさんが講演しました。

黒光さんは、「子どもたちは家族のことを悪く思われたくないと必死で隠したり、自分がヤングケアラーだと気付いた瞬間に苦しさを自覚して精神的にまいったりすることがある」と述べました。

その上で、「本人や家族にヤングケアラーだと伝えることは何の助けにもならない。子どもが世話をしている家族が必要な福祉や医療を受けられる具体的な支援こそが必要だ」と訴えました。