全国最低の「1人当たり県民所得」労働生産性の低さが影響

1人当たり県民所得が全国で最も低い状況が続いていることについて、県内のシンクタンクが分析した結果、労働生産性の低さが大きく影響していることが分かりました。

シンクタンク「りゅうぎん総合研究所」などによりますと、沖縄の県民1人当たりの所得は2020年度が216万7000円で全国で最も低い状況が続いています。

全国との格差についてシンクタンクは2010年度ごろまでは失業率の高さや就業者数の割合の低さが要因だったと指摘しています。

その後、県内の景気拡大や人手不足感の強まりから雇用情勢が大きく改善し、近年の所得格差の要因は、全国との労働生産性の差によるものだと分析しています。

産業別に見ると、基幹産業の観光関連では「宿泊・飲食サービス業」が2018年度、就業者数が全体の8.5%であるのに対し、県内総生産に占める生産額の割合は4.3%にとどまり、労働生産性は全国46位です。

特に規模の小さい宿泊業や飲食サービス業での労働生産性の低さが影響していると推察しているほか、情報通信業も下請け的な業務が多いことなどから労働生産性は全国39位となっています。

シンクタンクは労働生産性の向上のために観光関連の産業では付加価値を高め、情報通信業では国内外へ販路を拡大することなどが求められると指摘しています。