写真や証言集使い大学生が戦争について考える

沖縄戦の体験者が高齢化し、証言を直接聞くことが難しくなっているなか、写真や証言集を使って戦争について考えてもらおうという出前授業が琉球大学で開かれました。

出前授業は、県が民間の企業と連携して県内外の学校で行っているもので、琉球大学の学生25人が参加しました。

講師の狩俣英美さんが、5人1組に分かれた学生に、ひとグループにつき1枚の沖縄戦の写真を配り、タイトルや撮影時期をみんなで考えるよう指示しました。

このうち、水が張られた大きな穴の中にいるアメリカ兵の写真が配られたグループは、「周辺の木々が燃えて地面も荒れ果てているので、自然に開いた穴ではない」として、『爆弾で出来たお風呂』というタイトルをつけました。

そして、「昼間から風呂に入れるのは、戦闘が落ち着いた頃だからではないか」と発表していました。

また、大勢の住民がアメリア軍に投降し収容所に向かっている写真には、市民の戦争『シビリアン・ウォ−』というタイトルをつけ、「武器は写っていないが、銃撃戦だけではなく、市民が巻き込まれるのも戦争の一端だと思った」と理由を語っていました。

1年生の男子学生は「沖縄戦をイスラエル・パレスチナ情勢に置き換えて考えることができた」とか、「今起きている戦争について、自分たちにできることがないか考えるきっかけになった」などと話していました。