サンゴ移植めぐる国の指示 沖縄県が取り消し求めた裁判 結審

アメリカ軍普天間基地の移設工事をめぐり、埋め立て予定地に生息するサンゴの移植を許可するよう農林水産大臣が行った指示は違法だとして県が指示の取り消しを求めた裁判が、14日結審しました。
判決日は後日、指定される予定です。

普天間基地の名護市辺野古への移設工事をめぐり、埋め立て予定地のうち軟弱地盤が見つかった大浦湾側に生息するサンゴおよそ8万4000群体の移植作業を行う許可を求めた沖縄防衛局の申請を、県は認めていません。

これに対しサンゴの移植を許可するよう水産資源の保護を所管する農林水産大臣が行った指示は違法だとして県が指示の取り消しを求めて起こした裁判が、14日、福岡高等裁判所那覇支部で開かれました。

県の代理人が意見陳述を行い、「防衛局は軟弱地盤の改良工事を行うため設計変更を申請したが承認を得られておらず、埋め立て工事を継続できるか不確かであり、移植の申請を許可する必要性がなく指示は違法だ」と主張した上で「裁判所は県の請求を認める判断を下されるものと信じる」と述べました。

一方、国の代理人は「最高裁判所により最終的な司法判断が示され、県には改良工事の設計変更の申請を承認する義務があり、申請が承認されていないことが移植の必要性を否定する理由にならない」と主張した上で「可及的速やかに県の請求を棄却する判決がされるべきだ」と述べました。

裁判は14日で結審し、判決日は後日、指定される予定です。

玉城知事は、「農林水産大臣の指示はその要件を欠いているため違法であると主張した。裁判所には、憲法の保障する地方自治の本旨を踏まえ、公平・中立な判断をされることを期待している」というコメントを出しました。