地震で観光客が帰宅困難を想定 沖縄県や航空会社が図上訓練

沖縄県で震度6強の地震が起きておよそ7万人の観光客が帰宅困難になるという想定の図上訓練が、14日行われ、県や航空会社などが観光客をどのように輸送するか検討しました。

この訓練は、観光分野の危機管理体制を構築するため県などが行ったもので、自治体や航空会社、旅行会社など30以上の機関のおよそ100人が参加しました。

訓練はまず、震度6強の地震が起きた直後、停電した職場で安全を確認するところから始まりました。

続いて、発生から4日後、帰宅困難となった観光客への支援を検討する会議が開かれ、▽県からは県内各地で7万1000人に上る観光客が帰宅手段を失っていることが、▽航空会社からは空港が被災したため全便欠航し臨時便で羽田へ運べるのは1日2000人程度にとどまることなどが報告されました。

そして、航空会社は臨時便の航空券は一般で購入できるものとはしないため、搭乗する人を県側に決めてほしいと要望しました。

県は修学旅行生を優先的に輸送すると決めた上で、▽那覇近郊に滞在している生徒は飛行機で、▽沖縄本島北部に滞在する生徒は本部港から船で、それぞれ県外へ送り届ける計画を作成し、関係機関へ周知しました。

こうした中で、搭乗の優先順位をどう決めるのかや一時待機場所の確保、帰宅の手段の周知などに課題があることが洗い出されました。

県観光振興課の玉城達貴さんは「観光客の帰宅困難に焦点をあてた訓練は今回初めてで、優先順位をつけることについて関係機関と議論するいい機会となった。今後も継続的に顔の見える場をつくって議論を深めていきたい」と話していました。