機動戦闘車の公道走行 県が沖縄防衛局に懸念伝える

10日から行われる自衛隊の大規模演習で戦車と同程度の火力を持つ機動戦闘車と呼ばれる車両が一部、那覇市内の公道を走行する予定となっていることについて、県は9日、沖縄防衛局に対し、公道などを使用した演習の実施は県民にさまざまな不安を生じさせるとして懸念を伝えました。

自衛隊は10日から20日までの間、陸・海・空の自衛隊員あわせておよそ3万人がアメリカ軍およそ1万人とともに全国各地で大規模演習を行い、この中で装備品を本土から沖縄に展開させる訓練の一環として、戦車と同じ程度の火力を持つ機動戦闘車と呼ばれる車両が一部、那覇市内の公道を横切る形で走行する予定となっています。

これについて、県は9日、沖縄防衛局に対し、「公道などを使用した大規模な演習の実施は、県民にさまざまな不安などを生じさせる」として口頭で懸念を伝え、交通量の少ない時間帯に走行することなどに十分留意するよう要請しました。

そして、今回の演習について、県民生活や事業活動への影響を最小限とすることや、必要な情報を自治体や住民に提供することを求めました。

県によりますと、沖縄防衛局は安全保障環境が厳しさを増す中、必要な訓練だとした上で、「機動戦闘車の公道の通行にあたっては、交通量の少ない時間帯に走行し誘導員の配置を行う」などと回答したということです。

機動戦闘車をめぐっては、去年、県内では初めて与那国島で公道を走行し、その際、県は自粛を求めています。