深海と海の表面の温度差で発電 パラオの大臣視察 久米島町

太平洋の島国パラオの大臣が、8日、久米島町を訪れ、深海と海の表面の温度差で電気を起こす設備などを視察しました。

久米島では、沖合およそ2キロの水深612メートルの地点からくみ上げた冷たい海洋深層水と海の表面近くの暖かい海水の温度差を利用して電気を起こす海洋温度差発電の実用化へ向け実証実験が行われています。

8日は、太平洋の島国・パラオの公共インフラ担当のオビアン大臣などが設備を視察し、担当者から電気を作る仕組みに加え、発電と同時に深層水を淡水化し飲料水にできることなど、説明を受けました。

また、設備の周辺では海洋深層水を活用して車エビや海ぶどうの養殖、それに化粧品の製造が行われていて、140人の雇用が生まれ関連産業の売り上げは年間25億円に上ることなどが紹介されました。

パラオは燃料代が高く産業も限られるほか、数年に1度は干ばつが起きているということで、オビアン大臣は「施設を見て感銘を受けた。久米島とパラオは似ているので導入できれば問題の解決に貢献すると思う」と話していました。

来週には南太平洋の島国、トンガやサモアの関係者が久米島町へ視察に訪れるということです。