国の天然記念物ケナガネズミ 肺炎の確認相次ぐ 寄生虫か

沖縄本島北部などに生息する国の天然記念物のケナガネズミが肺炎にかかっているケースが、相次いで確認されていることが分かりました。
原因は、外来種のアフリカマイマイなどが宿している寄生虫だとみられるということです。

ケナガネズミは、沖縄本島北部や奄美群島の一部だけに生息する国の天然記念物で、絶滅危惧種にもなっています。

12年前に、肺炎にかかって死んだ個体が沖縄で初めて発見されましたが、やんばるで希少な生き物の保護に取り組んでいるNPO法人の調査で、その後も少なくとも6件、同じように肺炎にかかったケースが確認されたということです。

初めて確認された個体の解剖で、体内から「広東住血線虫」という寄生虫が見つかっていて、その後も同じ寄生虫が見つかったことから、NPO法人ではこれが原因だとみています。

この寄生虫は、ケナガネズミのエサとなっている外来種のアフリカマイマイなどのカタツムリが体内に宿しているケースが多いということです。

NPO法人「どうぶつたちの病院沖縄」の長嶺隆さんは、「目に見えない寄生虫だからこそ対策をすることが難しく個体への影響は大きい。非常に重要な感染症になってしまうおそれがあると危惧している」と話しています。