南風原町出身のアーティスト 照屋勇賢さんの作品展 那覇

南風原町出身でベルリンと沖縄を拠点に活動するアーティスト、照屋勇賢さんの作品展が那覇市で開かれています。

作品展は那覇市の沖縄県立博物館・美術館で開かれていて、照屋さんの初期の作品から最新作までおよそ100点が展示されています。

新作の「オキナワ・ポップ」という作品は、本島南部の壕で見つかった水筒や砲弾の破片などの前に、幅20メートル、高さ3メートルのカーテンがつるされていて、そこにはさまざまな色の風船が描かれています。

「沖縄が歩んできた歴史と向き合い、未来へつながっていってほしい」という照屋さんの思いが込められています。

「お父さんの好きなゲーム」という作品は、逆さまになった2台の車と映像が映し出されているモニターが置かれていて、本土復帰2年前の1970年12月20日、アメリカ兵による交通事故をきっかけに沖縄の人たちの怒りが爆発した「コザ暴動」からインスピレーションを受けて制作されたといいます。

先月からイギリスの大英博物館でも展示されている「結い、Youーi」は、紅型の技法で戦闘機や兵士などの柄を描いた作品で、沖縄が抱えるアメリカ軍基地の問題と美しい紅型を結びつけた作品です。

訪れた人は「沖縄の人がどんな気持ちを抱えてこれまで生きてきたのか、これからのことをどう考えているのか、照屋さんの作品は受け取りやすい形にしてくれていると思います」と話していました。

照屋勇賢さんは「沖縄を考えることとアートを作ることは一緒だと今回、作品を作って気づいた。沖縄の未来について皆さんが感じていたこと、思っていることと、もしかしたら一緒に交差する部分もあるかと思っていて、作品を見て確認していただければなと思う」と話していました。

この作品展は来年1月21日まで月曜日や年末年始の休館日を除き、県立博物館・美術館で開かれています。