陸自・米軍 国内最大規模の共同訓練 31日まで実施

離島の防衛を想定した陸上自衛隊とアメリカ軍との国内最大規模の共同訓練が31日まで沖縄などで行われました。

陸上自衛隊とアメリカ海兵隊は今月14日から31日まで離島の防衛を想定した「レゾリュート・ドラゴン」と呼ばれる国内最大規模の共同訓練を沖縄と九州、北海道で行いました。

この共同訓練が沖縄で実施されたのは初めてで、石垣島にアメリカ軍が初めて展開したのに加え、県が飛行の自粛を要請するなか、陸上自衛隊のオスプレイが県内で初めて飛行し、新石垣空港に着陸しました。

今回の訓練について安全保障が専門の沖縄国際大学の野添文彬准教授は「台湾有事において『最前線』となり得る島々で、海兵隊が作戦構想をどう実行しそれに自衛隊がどのように関わるかが確認できた。また、新石垣空港など民間施設の利用が進められたが県が反対するなど地方自治体との連携不足は大きな問題だ」と指摘しました。

自衛隊は来月、大規模な実動演習を各地で実施する予定で、与那国島では町が主催する防災訓練に参加し、自衛隊の大型ヘリコプターで住民の輸送を行うことも検討しているということです。

【石垣駐屯地の周辺に住む農家の話】
日米共同訓練に反対の立場で、石垣駐屯地の周辺に住む農家の嶺井善さん(58)は「自衛隊の車両を間近で頻繁に見たり、自衛隊のヘリを見ることでいままでの非日常が日常になりつつあると感じている。駐屯地が開設して7か月で、ここまで自分たちの予想以上のスピードで基地の利用が進んでいると思う」と話していました。

そのうえで嶺井さんは「今後、基地機能が拡張していく可能性もあるなかで、きちんと説明する責任が防衛省にも市長にもあると思う。今後は海兵隊員も外に出ていろいろな訓練を一緒にやっていくとどうなっていくのか心配で、これ以上自衛隊が強化されないように外交などで安定化していってほしいと思う」と話していました。