沖縄最古の「首里劇場」解体を前に座席撤去 座席引き取る人も

現存する沖縄最古の劇場・映画館「首里劇場」の本格的な解体作業を前に、18日、座席の撤去が行われました。
現場には、解体を惜しみ、座席を譲り受ける人たちの姿も見られました。

現存する沖縄最古の劇場・映画館「首里劇場」は、老朽化のため今月から解体作業が始まります。

本格的な解体を前に、18日は、午後4時ごろから、4人がかりで数十年にわたって使われてきた座席の撤去が行われ、那覇市内の映画館から取り寄せた1人がけのいすや、3代目の館長が手作りした長椅子がコンクリート製の床から取り外されていきました。

座席7人分と長椅子は、那覇市と豊見城市出身の20代の大学生2人が受け取りました。

2人は、那覇市出身の大学生の祖父がかつて開業していた市内の病院を改修して来月中旬にオープンするカフェで、座席として使う予定だということです。

大学生は、「昔からあるものは価値があると感じています。まだ使えるものなので首里劇場の思いをつなげていきたい」と話していました。

現在、管理している首里劇場調査団によりますと、近く、建物の取り壊しが始まり、年内にすべての作業が終わる見込みだということです。

首里劇場調査団の平良竜次副代表は「何もしなければ取り壊されるだけなので再利用してくれることはありがたい。この椅子にも物語があって、多くの人がお芝居や映画を見てきたので、つながっていくのがうれしい」と話していました。