玉城知事が国連人権理事会で演説「民意に反し移設工事を強行」

沖縄県の玉城知事は、スイスのジュネーブで行われている国連人権理事会で演説し、平成31年の県民投票で反対の民意が示されたにもかかわらず日本政府がアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設工事を強行していると訴えました。

沖縄県の玉城知事は、国連のヨーロッパ本部があるスイス・ジュネーブを訪れていて、日本時間の19日午前0時半すぎ、国連人権理事会の「国際秩序」をテーマにした会議で90秒間、英語で演説しました。

この中で玉城知事は、冒頭、「アメリカ軍基地が集中し、平和が脅かされ、意思決定への平等な参加が阻害されている沖縄の状況を世界中から関心を持って見て欲しい」と呼びかけました。

そして、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設工事について「日本政府は、貴重な海域を埋め立てて、新たな基地建設を強行している。県民投票という民主主義の手続きで、明確に埋立反対という民意が示されたにもかかわらずだ」と訴えました。

また、軍事力の増強は日本の周辺地域の緊張を高めることが懸念され、県民の平和を希求する思いとは相容れないとして、関係政府による外交努力を強化するよう求めました。

玉城知事は、辺野古への移設工事をはじめとする沖縄の基地問題の現状を国際社会に訴えるため、22日までジュネーブに滞在し、あと2回国連人権理事会で演説を行うほか国連関係者などと面談する予定です。


【玉城知事の演説全文の訳文】

玉城知事はジュネーブの現地時間18日の午後、「国際秩序」をテーマとする会議で90秒間、英語で演説をしました。

玉城知事の演説全文の訳文です。

「ありがとうございます、議長。ハイサイグスーヨー、私は、日本国沖縄県の知事玉城デニーです。米軍基地が集中し、平和が脅かされ、意思決定への平等な参加が阻害されている沖縄の状況を世界中から関心を持って見てください。日本全体の国土面積の0.6%しかない沖縄には、在日米軍基地のおよそ7割が集中しています。さらに、日本政府は、貴重な海域を埋め立てて、新基地建設を強行しています。県民投票という民主主義の手続きにより明確に埋立反対という民意が示されたにもかかわらずです。軍事力の増強は日本の周辺地域の緊張を高めることが懸念されるため、沖縄県民の平和を希求する思いとは全く相容れません。私たちは、2016年国連総会で採択された『平和への権利』を私たちの地域において具体化するよう、関係政府による外交努力の強化を要請します。今日はこのような説明の場が頂けたことを感謝しております。ニフェーデービタン。ありがとうございました」。