ジーマーミ豆腐でアレルギー 救急搬送される観光客など相次ぐ

ピーナツが原料の「ジーマーミ豆腐」を食べた観光客などがアレルギー反応を起こして救急搬送されるケースが増えているとして、県は注意を呼びかけています。

沖縄県などによりますと、県内を訪れた観光客などがジーマーミ豆腐の原料がピーナツだと知らずに食べ、アレルギー反応を起こして救急搬送されるケースが相次いで起きています。

これを受けて、県はこのほど沖縄観光コンベンションビューローを通じて注意喚起を行いました。

具体的には観光客向けの情報を集めたホームページ「おきなわ物語」でジーマーミが沖縄のことばでピーナツを指すことを紹介し、ピーナツの食物アレルギーがある人は食べないよう呼びかけています。

また、飲食店などに対しては提供する際、ピーナツが原料であることが分かるように表示するよう呼びかけています。

アレルギーに詳しい中頭病院の宮城俊雅医師は「ピーナツを食べて重いアレルギー反応を起こし搬送されるケースは、県内は全国に比べて多い。呼吸状態が悪くなったり血圧が下がったりして命に関わる可能性がある。事業者側は慎重に提供し、アレルギーのある人や家族も注文する際に注意してほしい」と話しています。

中頭病院の小児科の宮城俊雅医師らのグループによりますと、去年3月までの5年間に0歳から17歳までの子どもが食物アレルギーの症状が出て中頭病院で救急受診した189件について原因を調べたところ、1歳から17歳では最も多かったのがピーナツで3割を超えています。

このうち、ジーマーミ豆腐が40%あまり、ピーナツを使ったお菓子が30%、ピーナツを使った料理が12%などとなっています。

2017年に消費者庁が行った食物アレルギーに関する全国調査で、3歳から17歳までの子どもがピーナツがアレルギーの原因になったケースは1割程度だったということで、宮城医師はそれに比べ沖縄は割合が高いとしています。

宮城医師らのグループは「沖縄ではピーナツが貴重な食材として扱われ、さまざまな食品や料理に入っていることや、戦後のアメリカ文化の流入とともに、ピーナツを使った製品が身近になっていることが背景にある」と指摘しています。