知事公室長など務めた高山朝光さん 本部町で沖縄戦の体験講演

沖縄県の元知事公室長の高山朝光さん(88歳)が、9日、地元の本部町で沖縄戦の体験について講演し、平和の大切さを呼びかけました。

本部町伊豆味出身で、県の知事公室長や那覇市の助役などを務めた高山朝光さんは10歳の時、沖縄戦を体験しました。

9日は、みずからの体験を聞き、戦争や平和について考えてもらいたいと地元の人などを対象に講演会を開きました。

この中で、高山さんは、アメリカ軍の本島上陸の前に家族とともに本部町の八重岳の防空壕に避難した当時の状況について振り返り、「海はアメリカ軍の軍艦で埋め尽くされ、艦砲射撃がどんどん撃ち込まれ、すごい地響きですべての樹木が吹き飛ばされた」と述べました。

その上で、家族とともに日本軍の部隊のあとを追って、今の名護市の多野岳へ移動する間に、重傷を負った少年兵や死亡した日本兵を目撃した経験を語りました。

そして、高山さんは「戦争によってどんなに立派な人でも理性を失ってしまう。戦争が起こらないように日本はほかの国々と平和に向けた交渉を行い、私たちもみんなで平和な社会の大切さを訴えていきましょう」と呼びかけました。

参加した70代の女性は「死ぬか生きるかの行動をされていたことを聞き驚いた。きょう聞いた話をいろいろな人に伝えていきたいです」と話していました。