戦地の子どもたちの写真通じ 戦争や平和を考える催し 那覇市

戦地で生きる子どもたちの姿を捉えた写真を通じて、戦争や平和について考えてもらおうという催しが那覇市で行われています。

この催しは太平洋戦争中、疎開船の「対馬丸」がアメリカ軍に撃沈され800人近くの子どもの命が失われた悲劇を伝える那覇市の施設で開かれています。

会場には沖縄戦からロシアによるウクライナへの軍事侵攻まで、戦地で生きる子どもたちの様子を写した写真やパネルおよそ60点が展示されています。

このうち、ベトナム戦争中、アメリカ兵による攻撃を受け何も持たずに村から逃げてきた子どもたちが捉えられた1枚は、那覇市出身の報道写真家、石川文洋さんが撮影しました。

その横には石川さんの「以前、沖縄での写真展を見た沖縄戦体験者が沖縄が艦砲射撃を受けた時と似ていると言っていた」というコメントも添えられています。

このほか、ウクライナの避難所で赤十字社のスタッフに心のケアを受けている子どもたちを撮影した写真などもあります。

会場には訪れた人が平和への思いをつづることができるスペースも設置されていて、「ずっと楽しく、平和な時代にしたい」などのメッセージが並べられていました。

熊本から子どもと訪れた50代の女性は「子どもたちの写真を見るのは辛く、戦争が続いていて心が苦しい。早く平和な世界が来るように祈るばかりです」と話していました。

対馬丸資料館の学芸員の堀切香鈴さんは「紛争地域であろうと平和な地域であろうとそこに生きている子供たちの命は変わらない。展示を通じ、未来や将来について考えてほしい」と話していました。

催しは休館日の木曜日を除き、今月22日まで対馬丸記念館で毎日、開催されています。