那覇市「10・10空襲」記憶を継承する式典を11月に開催

太平洋戦争中の昭和19年に那覇市の市街地を焦土に変えた「10・10空襲」の記憶を継承しようとこれまで10月に行われてきた式典について、那覇市がことしは11月に開催することを決めました。
予定していた日に音楽イベントが行われるためで、遺族からは10・10空襲の風化を懸念する声が上がっています。

沖縄戦の前年の、昭和19年10月10日、アメリカ軍の空襲により那覇市の9割が焼失するなど各地で被害が出た「10・10空襲」では1400人以上が死傷しました。

この10・10空襲の記憶を次の世代に伝えようと、遺族会は原則として10月10日当日に慰霊祭を行ってきました。

ところが遺族会の高齢化を受けて6年前から慰霊の式典を主催してきた那覇市は「那覇大綱挽」への対応と日程が重なるなか10月10日当日の開催をほぼ行わなくなり、さらにことしは10月ではなく11月に行うと決めたということです。

理由としては、那覇市は、開催を予定していた日に会場近くの公園で音楽イベントが行われるため、式典の雰囲気を考慮して11月に先送りしたということです。

那覇市連合遺族会の瑞慶山良祐会長は「遺族がないがしろにされた感じがしてとても残念ですし、10・10空襲が風化してしまわないか心配です」と話していました。

那覇市福祉政策課は「当初の予定通り10月に行えないことは残念に思います。本市としても戦没者等遺族の気持ちに寄り添った形で式典を執り行っていきたいと考えております」とコメントしています。