重要文化財に指定 琉球王国時代の古文書を初公開

琉球国王が土地を与えるときなどに出した古文書の「朱印状」などが国の重要文化財に指定されたことを記念して、県立博物館・美術館で初めて公開されています。

那覇市の県立博物館・美術館で初めて公開されているのは、「銘苅家文書」と「琉球国王朱印状」です。

このうち「琉球国王朱印状」は「辞令書」とも呼ばれる公文書で、16世紀末に出されたこの朱印状では、宮古島の上級役人に対し国王から「三かりやた」の面積の田畑を与えることが記されているほか、記載された以上の数の農民を雇うことを制限しています。

また「銘苅家文書」は16世紀から19世紀にかけての朱印状3点と絵図1点で、伊是名島の銘苅家に伝わるものです。

「朱印状」には「御さけ」や「上申あるべし」と書かれ、税として酒を納めることが規定されています。

これらは、沖縄で歴史的価値の高い資料の多くが沖縄戦などで失われたなか貴重な文字資料だとされ、ことし6月に国の重要文化財に指定されていました。

県立博物館・美術館の崎原恭子主任学芸員は「琉球王国時代の体制などがわかる資料なので、ぜひ来館して当時に思いをはせてほしい」と話していました。

この朱印状などは来月10日まで公開されています。