沖縄西原町 夏休み中 困窮家庭の子どもたちにお弁当を

子どもの貧困が問題となる中、西原町では生活に困っている家庭の子どもたちに無料で弁当を届ける取り組みが続けられていて、夏休み中のこの時期には、さらに支援に力を入れています。内原早紀子キャスターが現場を取材しました。

新鮮な野菜に、鶏肉。おいしそうなチキンのトマト煮込みの完成です。作ったのは西原町で活動しているボランティアの人たち。社会福祉協議会などと連携し、生活に困っている家庭の子どもたちに月に1度、無料でお弁当を届ける取り組みを行っています。野菜も添えて、栄養たっぷり。彩り豊かなお弁当が100食完成しました。給食のない夏休みには、支援を求める人が増えるためふだんより多く準備しました。ボランティア団体代表の祖慶聖子さんさんは「夏休みは朝昼晩、食事を作らないといけないので親が休める時間が必要で子どもたちにもおいしいものを届けたいという思いです」と話します。

さらに今回は、力になりたいと夏休み中の高校生たちも集まりました。手作りしたのは弁当の包み紙です。喜んでくれそうな手書きのイラストに育ち盛りの子どもたちへのメッセージも添えます。高校生の1人は「受け取る時に喜んでくれたらいいなと思って書いています」と話しました。

3時間かけて出来上がったお弁当は、子どもたちを支援しているソーシャルワーカーなどの手で26世帯に届けられました。この日は、直接、受け取りに訪れる親子もいました。受け取った子どもたちは「いつももらっているけど、とてもおいしくて大好きです」「いっぱい食べてたくさん元気になりたいです」と笑顔を見せていました。また、母親の1人は「とてもありがたいです。10人家族なのでけっこう食費かかるんです」と話していました。別の母親は「生活が厳しくて。おむつ代がかかるから大変です。子どもの栄養がけっこう偏っているから助かります」と話していました。

食品や光熱費の値上がりが続く中、支援を必要とする世帯は取り組みを始めたおととしの2倍に増えているということです。活動を通じて家庭や子どもの様子に変化がないか見守ることにも力を入れています。西原町社会福祉協議会の比嘉若奈さんは「夏休みになるとどうしても自宅で過ごす子たちが多いので、弁当の配達の際や取りに来てくれた際に顔や様子も分かりますし、いろいろとお話を聞くことで家族の状況が分かります。誰1人取りこぼさない支援を継続できたらと思っています」と話していました。