首里城正殿の再建工事 「天井額木」搬入を公開

4年前に火災で焼失した那覇市の首里城で再建工事が進む中、7日正殿の玉座の真上に使われる「天井額木」と呼ばれるはりが現場に運び込まれ、報道陣に公開されました。


首里城の再建工事では、3年後の2026年に正殿を完成させることを目指して復元工事が進められています。

7日は「御差床」と呼ばれる正殿2階にある国王が座る玉座の真上の部分のはりとして使われる天井額木が、トラックで首里城公園内にある木材倉庫に運びこまれました。

天井額木は、奈良県産のヒノキの木が使われていて、長さおよそ3.8メートル、高さおよそ40センチ、幅およそ24センチの大きさです。

表面には、炎が燃え上がるような玉の文様の火焔宝珠や龍、それに縁起のよい雲を意味する瑞雲の彫刻が彫られています。

平成の復元の際に、首里城内に掲げられた「へん額」や国王の即位式が行われた「世誇殿」を手がけた彫刻師と八重瀬町の木材加工業者がことし6月から制作し、先月末に彫りの作業が終わったということです。

首里城の再建工事で、彫刻が施された木材が運び込まれるのは初めてです。

県首里城復興課の嘉数昌寛班長は「特に、構造材になるような、そして、象徴となるような重要な部材が搬入できうれしく思う。これからも着実な1歩を踏み出していきたい」と話していました。