那覇市の認可外保育施設の乳児死亡事故 市の委員会検証進める

那覇市の認可外保育施設で一時保育で預けられていた乳児が死亡した事故から30日で1年です。
那覇市では、再発防止に向けて外部の専門家による検証が進められています。

去年7月30日、那覇市楚辺にあった「緑のすず乃保育園」で、一時保育で預けられていた生後3か月の男の赤ちゃんが心肺停止の状態となり、搬送先の病院で死亡が確認されました。

事故当日、市が立ち入り調査を行った結果、睡眠中の乳幼児の状態をきめ細かく観察していなかったことなど8項目について、改善勧告を行いましたが、その後、施設は経営の厳しさを理由に廃止しました。

那覇市は、事故の再発防止に向けて外部の専門家による検証委員会を設置し、28日までにあわせて8回会合を開き、これまでに施設の関係者や利用者への聞き取り調査などを行ってきました。

委員会では、来年3月末までに市へ再発防止策を提言することにしています。

委員会の会長で、沖縄キリスト教短期大学保育科の照屋建太教授は「今後こうした事故が起こらないように、提言に向けて事故の内容をしっかり精査していきたい」と話していました。

一方、この事故をめぐり、警察は赤ちゃんの死因について複数の専門家から意見を聞くなどして調査を続けています。

【亡くなった乳児の両親は】

亡くなった赤ちゃんの両親は、NHKの取材に対し、「いまだになぜ息子が亡くなったのかわかっていません。園にはしっかりと説明してもらいたいです。捜査も早く進むことを願っています」と話しています。

【「不適切な保育」県内では40件確認】

こども家庭庁が、全国の保育所や認可外保育施設などを対象に園児の心身に悪影響を及ぼす「不適切な保育」について調べた結果、去年4月から12月の間に県内ではあわせて40件確認されています。

そのうち、内訳を見ますと、認可外保育施設や認定こども園などではあわせて26件、保育所では14件となっています。

こうした中、こども家庭庁はガイドラインを策定し、園内で虐待などが疑われる事案が発生した時は市町村などに速やかに相談し、自治体は迅速に対応することなどを求めています。