琉球王国の国廟「崇元寺」の遺構 ジオラマで再現 那覇

琉球王国時代に歴代の王の位牌がまつられていた国廟で、国の重要文化財に指定されている那覇市の崇元寺の遺構がジオラマで再現され、お披露目されました。

「石門」で知られる那覇市泊にある崇元寺跡は、歴代の琉球国王の位牌をまつる国廟として16世紀前半に建てられましたが、沖縄戦で建物がすべて焼失しました。

戦後、焼け残った石門が復元され、本土復帰の1972年に国指定の重要文化財になり、那覇市は令和3年度から10億円近くかけて崇元寺跡を保存し整備する事業を進めています。

28日は、焼失前の6つの建物を150分の1にして配置したジオラマと、庫裏と呼ばれる僧侶が住んでいた建物の遺構を再現したジオラマが披露されました。

ジオラマには、柱の基礎部分とみられる丸や四角の石のほか、階段が再現されていて、ジオラマの1メートル下に保存されている本物の遺構を参考にしたということです。

また、崇元寺の管理者だった祖父母と小学校の4年間、崇元寺に住んでいた上江洲隆さん(90)も招かれ、石垣には、隙間にたくさんのヤドカリがいたことや、登って祖母に叱られたことなどたくさん思い出があると語っていました。

那覇市文化財課の外間政明副参事は「首里城も焼失し、喪失感を覚えた県民もいると思いますが、沖縄戦から80年近くたって再現された遺構に琉球王国の誇りを感じてほしい」と話していました。

那覇市は、今後、国の史跡の指定を目指し、将来的には建物の復元につなげたいとしています。