夏の風物詩「大綱引き」「豊年祭」

県内各地で夏の風物詩、大綱引きや豊年祭が行われました。

このうち、宮古島市では今月22日夜、恒例行事「東西大綱引き」が新型コロナの影響で4年ぶりの開催となり、会場となった市中心部にある商店街の通りは大勢の人で埋め尽くされました。

綱引きに使われる綱は、全長が100メートル、重さがおよそ2トンにもなり、山側で農家の多い東が勝つと五穀豊じょう、海側で漁業者が多い西が勝つと大漁になると言われています。

綱引きを前に、ホラ貝や三線、太鼓の演奏にあわせて地元の青年会の獅子舞が登場し、会場を清めました。

綱引きには地元の人に加え、観光客も参加し号砲が鳴らされると「ワッショイ、ワッショイ」とかけ声をかけながら、汗だくになって綱を引いていました。

ことしは2勝1敗で東が勝ち、みこしの上に高々と掲げられた東の代表は大きな声をあげて喜びを表していました。

綱引きに参加した人たちは「久しぶりに綱引きができてよかった」とか、「初めて見ましたがとても楽しかったです」などと話していました。

一方、石垣市では23日、60キロほどの重さがある大きな石を担ぎ上げて、五穀豊じょうなどを願う豊年祭が行われました。

豊年祭は川平地区にある「赤イロ目宮鳥御嶽」という地域の神聖な場所で行われ、初めに神に仕える女性が祈りをささげました。

このあと「願い人」と呼ばれる男性が「いやーっ」という大きなかけ声とともに「ビッチュル」と呼ばれる60キロほどの重さがある大きな石を転がして境内の中央まで運びました。

そして5人の若者が交代で石を担ぎ、一歩踏み出すたびに「ゆい」と声をあげながら境内を3周ほど回り大きな声を上げながら石を地面に投げ降ろしました。

5人は境内に集まった人たちから「がんばれ」とか「もっと大きく境内を回れ」などと声をかけられたり、拍手を送られたりしていました。

5年ぶりに石を担いだという岸本豪さん(23)は「高校生の時以来でしたが、きつかったです。石垣に帰ってきたので、地域の祭りにはできる限り毎年参加したいです」と話していました。

また、見物していたイタリアから訪れた男性は「とても興味深い祭りで、いい機会に恵まれたと思います」と話していました。