“沖縄本島と宮古島地方は同じ祖先” 琉大研究チームが発表

沖縄本島と宮古島地方の人々の祖先について、琉球大学の研究チームが遺伝情報を解析して調べた結果、「琉球縄文人」と呼ばれる同じ集団と想定できることがわかりました。

これは、琉球大学大学院医学研究科の木村亮介教授やいまは東京大学大学院理学系研究科に所属する小金渕佳江特命助教などの研究チームが、国際的な人類遺伝学の学術誌「JournalofHumanGenetics」で20日、発表したものです。

研究チームは、沖縄本島と宮古島地方の出身者、それぞれ25人ずつについて、1人につきおよそ30億ある遺伝情報=ゲノムのすべてを解析しました。

木村教授のグループのこれまでの研究では、沖縄本島や宮古島地方、八重山地方の人々の遺伝情報は日本の本土の人たちと近く、本土から琉球列島に移住してきたことを示す結果が出ています。

これに加えて、今回の研究では新たに、本島と宮古島地方の人々の祖先は「琉球縄文人」と呼ばれる同じ集団と想定できることがわかったということです。

また、12世紀から16世紀ごろまでのグスク時代以降の沖縄の人々は、本土から移住してきた人々と琉球縄文人とのゲノムが、77対23と推定される比率で混ざり合っていて、本土からの移住が多かったこともわかったということです。

研究チームでは「琉球列島全体について考察できたわけではないが、八重山諸島や奄美諸島など解析対象の地域や検体数を増やすことで、より詳細な琉球列島の歴史や近隣地域とのつながりが遺伝学の観点から明らかにできると考えられる」としています。