平和学習の参考に 教員が沖縄戦跡見て回るフィールドワーク

78年前の沖縄戦の体験を語れる人が相次いで亡くなる中、記憶の継承を中心的に担ってきた学校の先生たちが、平和学習の参考にしようと戦争遺跡を見て回るフィールドワークに参加しました。

フィールドワークは沖縄県と読谷村などが企画し、教員を中心におよそ20人が沖縄戦で住民が身を隠した自然洞窟のチビチリガマなどを訪れました。

案内した読谷村教育委員会の中田耕平学芸員は、上陸したアメリカ軍が迫る中、敵に殺されるよりはとガマの中で住民83人がいわゆる「集団自決」に追い込まれたことを説明しました。

そのうえで、「小学生には『あなたがガマの中にいたらどうしますか』と問いかけ、中・高校生には世界で起きている戦争や議論になっている抑止力など、現在の問題につなげて考えてもらっている」と紹介しました。

また、土地がアメリカ軍基地に強制的に収用された楚辺地区の戦前の様子を再現した模型の前では、伝統行事の時だけ基地の中にあるお墓などへの立ち入りが許されることなど、沖縄戦の影響が色濃く残ることを説明していました。

参加した中学校の教員は「生徒たちに伝えるためには、自分が見て感じることから始めようと思った」と話していました。

学芸員の中田さんは「自分たちが調べたこと、体験者から聴いたことを学校の先生に伝えることで、子どもたちに沖縄戦の記憶が継承されていくと思う」と話していました。