沖縄県内で新型コロナの感染が急拡大 専用病床はほぼ満床に

沖縄県内では今月25日までの1週間で病院に搬送されたコロナ患者は157人と前の週のおよそ1.3倍に増えるなど、新型コロナの感染が急拡大しています。
県内のコロナ専用の病床はほぼ満床となっていて、多くの病院の救急部門で新たな患者の受け入れが難しくなっています。

このうち沖縄本島南部の豊見城市にある友愛医療センターでは、27日の朝、開かれた院内の会議でコロナ専用の病棟が満床だと報告されました。

また、救急外来では27日午前、隣接する那覇市消防局の救急隊員から「高齢者施設でコロナに感染した患者の容体が悪化したものの、かかりつけの病院を含め5か所に受け入れを断られた。受け入れてほしい」という連絡が寄せられていました。

担当の医師がこの高齢患者は入院が必要だと判断し、容体が改善した別の患者を自宅に帰して病床を空けるなどのやりくりをして受け入れることができました。

友愛医療センター救急科の山内素直部長は「去年の地獄だった夏の始まりと同じような感覚を持っている。今後、感染がますます拡大したら去年の夏かそれ以上の波が来てもおかしくないと思って戦々恐々としている」と強い危機感を示しました。

その上で山内部長は「去年はコロナ診療も一般診療もひっ迫して本来救えたはずの命が救えなかったとか、重症化してしまったケースが残念ながら実際に発生しすごく悔しい思いをした。それをまた繰り返すのは、私もつらいし、患者さんも家族もつらいことなので、今まだ、入り口なので一人一人が感染しない心がけをお願いしたい」と話していました。

沖縄県によりますと、県内ではコロナ患者の搬送が困難なケースが相次いでいて、今月25日までの1週間では受け入れ先が見つかるまでに救急隊が現場で1時間以上待機したケースや病院にあわせて11回照会をかけたケースもあったということです。