4年ぶりの慰霊祭前に「海鳴りの像」を遺族たちが清掃

太平洋戦争中、沖縄の近海などでアメリカ軍の攻撃を受けて沈没した船の犠牲者を悼む「海鳴りの像」の清掃が18日、遺族たちによって行われました。

那覇市にある「海鳴りの像」は、アメリカ軍の攻撃を受けて沈没した引き揚げ船や疎開船など25隻の船に乗っていた1900人あまりの沖縄出身の犠牲者を悼むため、終戦から42年後の昭和62年に遺族たちによって建てられました。

18日は、今月23日の「慰霊の日」を前に、遺族会の関係者など7人が線香を供えたあと、像と犠牲者の名前が刻まれた刻銘板を清掃しました。

新型コロナの影響で3年連続で自主参拝が続いていて、「海鳴りの像」での慰霊祭は、ことし4年ぶりに今月23日の慰霊の日に行われることになっています。

また刻銘板には、沖縄から鹿児島に向かう途中に沈没した「湖南丸」に乗り、犠牲になった海軍少年航空兵志願者も刻まれていますが、軍の機密で乗船名簿にも載っていないことなどから、ことしになって、刻銘されていることを知った遺族もいるということです。

遺族会の大城敬人会長代行は「『慰霊祭をやってほしい』遺族の思いや声があり、ことしは行うことにしました。また「湖南丸」で犠牲になった少年航空兵志願者の遺族の方々も、ぜひ、慰霊祭に参加してほしい」と話していました。