沖縄戦の2つのガマを題材 中学校で平和学習 豊見城

沖縄戦で住民が身を隠した2つのガマを題材にした平和学習が豊見城市の中学校で行われ、生徒たちは、当時、自分がガマにいたと想定したワークショップに参加しながら、命の重さに向き合いました。

豊見城市の伊良波中学校では、沖縄戦の記憶を継承する県の啓発事業を活用して平和学習が行われ、体育館には1年生300人近くが集まりました。

戦争体験者が年々少なくなり体験者を招く平和学習が難しくなる中、講師は沖縄戦の継承活動を行っている玉城直美さんが務めました。

78年前、住民が身を隠したガマに生徒たちが逃げるという想定でワークショップが行われ、生徒たちはガマに向かう前に米や竹やりなど25の項目から5つを選ぶよう指示されました。

そして、上陸したアメリカ軍が近づいてきたため、大勢が入れる大きなガマか、プライバシーが守られる小さなガマかのどちらに逃げるかを30秒で判断するよう促されました。

さらに日本兵や母親、看護師など、誰と逃げるかも決めるよう迫られました。

このあと、いずれも読谷村にある、住民が「集団自決」に追い込まれたチビチリガマと、アメリカ軍に投降してほぼ全員が生き延びたシムクガマでの体験者の手記を、先生たちが朗読しました。

ワークショップのあと、生徒たちは「ガマにいるような体験を体を動かしながらするのがよかった」とか、「1つの判断で生と死が分かれることが怖いと思った」とか、「身近にいる先生たち朗読をしてくれることで、沖縄戦を身近に感じた」などと話していました。

講師の玉城さんは「体験者の手記や写真などの貴重な一次資料を学校で活用してもらう『つなぐ』役割を果たせるような学習をしていきたいです」と話していました。